2024年11月13日号  1面 掲載

【コラム】介より始めよ

2024年11月13日

11月11日といえば「介護の日」だが、「サムライの日」でもある。11を漢数字で書くと「士」に見えることから制定されたそうだ。戦乱渦巻く乱世の時代から日本近代の夜明けまで、獅子奮迅の活躍をした侍たち。彼らを影から支えたのは、実は「介護休暇制度」だったかもしれない。

 

太平の世が訪れた江戸時代。武士には老親の介護を行うための「看病断」という制度があったという。例えば幕末、沼津藩藩士の金沢八郎の息子である野重教が記した日記では、父親の介護のために休暇を取得したことなどが事細かに記されている。周囲の理解もあったようで、ある日の日記には「殿様より実父君御不快御尋としてかすていら御頂戴被成候」という記述も見られる。

 

時代は下って現代、企業では介護離職対策が急がれる。主君たる会社経営者も、介護離職を防ぐ制度の整備をお願い申し上げ候。

 

 

 

 

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