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介護医療院

介護療養型医療施設に代わる新しい施設が、介護医療院。長期療養のための医療のほか、生活施設としての機能にも配慮しています。

医療・介護サービスに加え「生活の場」となる施設

2017年度末に廃止された介護療養型医療施設に代わる新しい施設として、2018年4月に誕生したのが介護医療院です。介護療養型医療施設が名目上は医療施設でありながら、実際には長期にわたる入院生活となる「社会的入院」の受け皿となっていたのに対し、介護医療院は、要介護の高齢患者に対して医療や介護を提供するのと同時に、生活の場を提供するという目的を、当初から明確にして設立されました。このため介護医療院は、生活施設としての機能と、日常的な医学的ケアや看取りなど終末医療の機能も兼ね備えた新しい高齢者施設として注目を集めています。

高度な医療サービスや生活のサポートも

介護医療院は、従来の介護療養型医療施設に比べると、要介護高齢者の生活施設としての機能にも配慮しています。このため、居室の広さも介護療養型医療施設よりも広い入所者ひとり当たり8.0㎡以上とし、多床室の場合でも、家具やパーティション、カーテンなどの組合せで室内を区分して、プライバシーを確保することを定めています。

入所者に対しては、長期療養に必要な医療として、経管栄養や痰の吸引などの日常的な管理、病状が急変した際の処置、さらにターミナルケアも含めた高度な医療サービスを提供します。また、リハビリテーション、食事や入浴など、日常生活を支えるケアも行います。一方で特養などと比べると、介護療養型医療施設と同様に、レクリエーションやイベントといった生活サービスは、あまり提供されません。

長期的な医療と介護を必要とする人が対象

介護医療院は、医療法と介護保険法に基づいた施設です。入居できるのは原則65歳以上・要介護1以上で、長期的な医療と介護を必要とする人が対象となります。施設は「介護医療院Ⅰ型」と「介護医療院Ⅱ型」の2つの類型があり、Ⅰ型は従来の介護療養病床、Ⅱ型は介護老人保健施設に相当。このためⅠ型の介護医療院は、Ⅱ型の介護医療院よりも、より重い症状の人が対象の施設となります。

今後のさらなる転換と普及が求められる

介護療養型医療施設に代わる新たな受け皿として創設された介護医療院は、政府の方針によって積極的な転換が促されています。転換の対象となる介護療養型医療施設の数は、全国で約5万床にのぼるといわれます。しかし、意外に転換は進んでおらず、2018年4月から12月末までに転換したのは合計で113施設・7414床に留まっています。

介護医療院の特徴

根拠法医療法・介護保険法
運営主体医療法人・地方公共団体等
入居対象要介護1 以上
年齢原則65 歳以上
介護サービス施設提供
医療処置可(Ⅰ型は24 時間、Ⅱ型は日中帯)
看取り
入居金なし
月額料金の目安所得によって7~ 17 万円

出典:岡本弘子『高齢者施設の費用・選び方・手続きのすべて』ナツメ社​

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