シニア向け分譲マンション
シニア向け分譲マンションは、バリアフリーなど高齢者の暮らしに配慮した住まいですが、高齢者住宅としての法律的な設置基準や登録義務はありません。
高齢者の暮らしに配慮した分譲マンション
民間企業が販売する分譲住宅で、バリアフリーや生活支援など、高齢者の住みやすさや生活のしやすさに配慮した分譲タイプの集合住宅をシニア向け分譲マンションと呼びます。このタイプの住まいの最大の特徴は、社会福祉法や介護保険法、老人福祉法といった、高齢者住宅に関係する法律の適用を受けていない住宅商品だということです。
たとえば、同じようなタイプの住まいであるサ高住は、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づいて、バリアフリーをはじめとした設備の設置基準が定められており、設置・運営には自治体への登録が義務づけられているのに対し、シニア向け分譲マンションには、高齢者住宅としての基準や義務はありません。このため、住まいの設備や提供されるサービスについては、建物を企画・販売する事業者によって違いはありますが、シニアに向けた高額な住宅商品として、バリアフリーや耐久性をはじめ、ハイグレードな住宅設備、24時間の管理体制が整えられているのが、シニア向け分譲マンションの特徴です。
シニア向けだが入居条件はない
入居に関する条件は特になく、自立した人から要介護の人まで入居することが可能です。食事やフロントサービスなどの日常的な生活支援については、特に法律的な設置義務はありませんが、多くの事業者がシニア向けのサービスのひとつとして用意しています。一方で介護サービスが必要な場合は、一般の住宅と同じように、入居者が個々に外部の介護事業者と契約をして利用しますが、介護事業所との連携や併設のあるマンションも増えています。また、医療機関への通院の便宜や看護師を置いて健康相談に応じるところも見られます。
居室については、1LDK ~3LDK程度までさまざまです。費用については、分譲マンションであることから高額で、分譲価格は2,000万~1億円、月額費用は12 ~ 20万円ほどが一般的です。
個人の資産なのでリフォームや売買も自由
シニア向け分譲マンションのメリットは、同じ民間タイプの住宅でも、賃貸形式のサ高住や利用権方式の有料老人ホームとは異なり、その人が所有する不動産=資産になるということです。このため、賃貸物件として他者に貸し出すこともできますし、リフォームや売買も自由に行うことができます。また、生活面の制限はなく、サービス利用も任意なので、他の高齢者住宅に比べて自由度が高いことが特徴です。
一方でデメリットとしては、費用が高額であること、固定資産税などの税負担が生じること、全国的にも物件の数がそれほど多くなく、中古市場が確立されていないため、売却価格が下落しがちな点が挙げられます。また、管理は区分所有法に基づき、入居者が形成する管理組合が行うため、高齢者だけの管理組合の運営にも課題が見られます。
シニア向け分譲マンションの特徴
根拠法 | - |
---|---|
運営主体 | 管理組合(企画・販売は民間企業) |
入居対象 | 自立~要介護 |
年齢 | (中~高齢者) |
介護サービス | 外部利用 |
医療処置 | 不可 |
看取り | 不可 |
入居金 | 2,000 万~ 1 億円 |
月額料金の目安 | 12 ~ 20 万円 |
出典:岡本弘子『高齢者施設の費用・選び方・手続きのすべて』ナツメ社
他の記事を読む
ステップ
1
自分の状況に当てはまる高齢者施設への入居事例から、
イメージしましょう
ステップ
2
高齢者施設の種類や違いを理解しましょう
ステップ
3
高齢者施設の費用を理解しましょう
ステップ
4