公共の施設と民間の住宅の違いは?
有料老人ホームや特別養護老人ホームなど、高齢者の住まいには数多くの種類があります。まずは「公共タイプ」と「民間タイプ」の違いを理解することが大切です。
介護保険施設を中心とした「公共タイプ」
自宅以外で高齢者が暮らす住まいには、大きく分けて自治体や社会福祉法人が運営する公共タイプの施設と、主に民間企業が運営する民間タイプの住宅の2つに分けることができます。
公共タイプの高齢者施設の中心となるのが、「介護保険施設」と呼ばれるものです。これらは、国の定める介護保険制度に基づいた居住型の介護施設のことで、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院(介護療養型医療施設から転換)の3つを指します。
介護療養型医療施設については、必ずしも治療の必要がないのに長期にわたって施設で生活している状態である「社会的入院」が大きな問題となり、2018年3月での廃止が決定しています。このため、2018年度から介護医療院という新しい施設が創設され、2023年度末までに移行する見込みとなっています。
介護保険施設以外の公共タイプの施設には、ケアハウスを含む軽費老人ホーム、養護老人ホーム、シルバーハウジングなどがあります。これらの施設は、自治体や社会福祉法人が設置主体であり運営もしているので、民間タイプの住宅に比べると、料金負担が少なく、運営が安定していることが、利用者にとってのメリットです。ただし、入居希望者に対して施設数が少ないために、常に待機者が溢れていて、すぐには入居できない状況となっています。
有料老人ホームに代表にされる「民間タイプ」
「民間タイプ」の高齢者住宅には、介護付き有料老人ホームをはじめ、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム、シニア向け分譲マンションなどがあります。これらの多くはいずれも主に民間事業者による運営ですが、そのほとんどで提供される介護サービスや施設の基準などは、介護保険法をはじめとした国の定める高齢者住宅に関する法律や基準などに基づいています。
民間タイプ高齢者住宅のメリットは、民間ならではの利用者のニーズに沿った住宅運営や多様なサービスが充実していること。一方で、あくまでも民間事業者による運営ですので、事業者の経営が悪化した場合など、事業譲渡をはじめ、最悪の場合は住宅の廃業(シニア向け分譲マンションを除く)やサービス提供の停止もあり得ることを理解しておきましょう。
高齢者住宅と施設の種類
<公共タイプ>
<民間タイプ>
出典:岡本弘子『高齢者施設の費用・選び方・手続きのすべて』ナツメ社
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ステップ
1
自分の状況に当てはまる高齢者施設への入居事例から、
イメージしましょう
ステップ
2
高齢者施設の種類や違いを理解しましょう
ステップ
3
高齢者施設の費用を理解しましょう
ステップ
4