2025年3月12日号 14面 掲載
「未来のオムツ」万博に集結 ファッションショーやフォーラム開催 (社)日本福祉医療ファッション協会
一般社団法人日本福祉医療ファッション協会(兵庫県尼崎市)は2025年3月3日、大阪・関西万博会場内で開催するオムツがテーマのイベント「O-MU-TSU WORLD EXPO2025」の詳細を発表した。
これまでオムツは「履きたくない、(親などに)履かせたくない」「履いていることを人に知られたくない」などネガティブなイメージが強かった。実際には、24年1月に能登半島で起きた震災では病院のトイレが使えないため、医師や看護師はオムツをして被災者の治療にあたったという。このほか、ドライブ中や山登りの最中、式典中など自由にトイレに行けない場面では一般の人にもオムツは重宝されている。今回のイベントは「気軽に、日常的にオムツを使える社会の構築」を目的に開催する。
6月24日には万博会場内のホールでオムツのファッションショーとトークショーを行う。現在、白十字やユニ・チャームなど国内のメーカー8社が「未来のオムツ」をテーマに1社3デザインを制作中。これに西陣織など日本の伝統工芸の技術や素材を活かしたオムツ、協会がデザインしたオムツを加え、合計30アイテムを実際にモデルが着用する。モデルは200名を超す応募者の中から、年齢・体形・人種・性などの多様性を考慮した30名を選出。中には車椅子ユーザーもいる。
「『アウター感覚でそのまま街に出られる』など、オムツに対する概念を打ち壊したいと思います」と同協会平林景代表理事は語る。
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会見をする平林代表理事(右)
翌25日には別会場で「国際おむつフォーラム」を開催する。テーマは「オムツのサスティナビリティ・リサイクル」など。登壇者は後日発表予定。
「使用済みオムツの処理など、課題は世界共通です。だからこそ、世界中の人が来場する万博で開催することに意味があると考えています」
定員はそれぞれ1900名・350名。イベント自体は参加無料だが、万博の入場チケットが必要。またイベント参加については3月下旬をめどに万博ホームページ上で予約受付を開始する予定。
さらに、6月26日には大阪市のATCエイジレスセンターで「排泄ケア機器展2025」を開催するなど、オムツ・排泄に関わる4つのプロジェクトを進めている。