2025年3月12日号  1面 掲載

【コラム】介より始めよ

2025年3月12日

近年、多機能調理器を家電メーカー各社が販売している。炊飯や野菜炒め、パスタなど1台で多彩な料理ができ、筆者も重宝している。

 

これらの製品は「火を使わないため高齢者にも安心」としばしば宣伝される。ただ、これは高齢者に響くのだろうか。

 

経済産業省は、認知症当事者とともにつくられた製品・サービスを表彰する「オレンジイノベーション・アワード」を3月に初開催。リンナイのコンロ「SAFULL+」が特別賞を受賞した。認知症の人や高齢者にとっての「使いやすさと安心」に着目した製品だ。

 

「ガスを使った調理は大切にしたい要素」と審査委員長の岩坪威教授(東京大学大学院)は講評。リンナイの担当者は「当事者があきらめてしまっていたことをどう実現できるか考えた」と話す。多機能調理器の「火を使わないから安心」は、やや恩着せがましいのかもしれない。

 

 

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