ウイーザスの挑戦:「ご入居者お一人おひとりの幸せ・well-beingの実現」を支える体制と取り組み
東京都千代田区に本社を置き、東京・荻窪と九段で有料老人ホームを運営しているウイーザス。同社は「ご入居者お一人おひとりのwell-beingの向上」を理念に掲げ、食事、リハビリ、医療体制の強化などを通じてその実現に取り組んでいます。介護付有料老人ホーム「ウイーザス九段」の小島直幸支配人に、具体的な取り組みや工夫についてお話を伺いました。(聞き手:ファストドクター 在宅事業本部 事業推進部 マーケティンググループ グループ長 百枝嵩裕氏)
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株式会社ウイーザス 介護付有料老人ホーム ウイーザス九段 支配人 小島直幸氏
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ファストドクター株式会社 在宅事業本部 事業推進部 百枝嵩裕氏
「人のぬくもり」を大切にした運営方針――2006年に介護付有料老人ホーム「ウイーザス荻窪」、23年に「ウイーザス九段」の運営を開始しています。施設運営において大切にしていることは何でしょうか。
小島 ウイーザスでは「ご入居者お一人おひとりの幸せ(well-being)」を共に考え、それを実現することを使命としています。そのための仕組みや取り組みを体系化し、持続可能な形で運用することに注力しています。介護現場では業務効率化が進む一方で、ご入居者の幸せの実現を目指す心や想い、つまり「人のぬくもり」が疎かになることを懸念しています。当社ではテクノロジーを活用しつつも、テクノロジーでは代替できない、人にしかできないお一人おひとりに心から寄り添いぬくもりをお届けすることを大切にしたケアを目指しています。
熟練料理長が提供する手作りの食事――具体的にどのような点に注力していますか。
小島 衣食住の中でも、特に喜びに直結する「食事」には強いこだわりを持っています。当社では給食を外注せず、高級日本料理店やレストランで修業した料理長を自社で雇用し、手作りの食事を提供しています。料理長が市場で魚を仕入れるなど、食材の調達から調理までを全て自社で行い、衛生管理も徹底することで、夏場でもお刺身を安心して提供できるのはもちろん、旬の食材を存分に味わっていただける環境を整えています。
また、ホームの屋上で野菜を育て、ご入居者と一緒に収穫した野菜を料理に使用するなど、体験型の取り組みも実施し、食事の楽しさを広げています。これらの取り組みは自社運営だからこそ実現できることです。
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外出支援とリハビリの両輪で支えるQOL向上――外出支援がご入居者に与える効果については、どのようにお考えですか。
小島 外出支援は、ご入居者のwell-being向上のために非常に重要な役割を果たしています。美しい景色を眺めたり新しい料理に出あったり、ホームの中だけではなかなか得難い喜びや楽しみを感じていただくことと街に出るという社会参加を通じて、心理的な安定感や生活の質が向上します。当社では月1回以上の頻度で日帰りバスツアーを実施しています。例えば、藤の花が見頃の季節にはあしかがフラワーパークへ、ブドウ狩りの時期には山梨まで足を運びました。また、富士山を眺ながら河口湖で散策もしました。旅先ではその土地ならではのグルメも堪能します。
また「介護度1向上」を合言葉に、専属の理学療法士による専門的な個別機能訓練体制を強化しています。毎日必ず個別機能訓練ができるように、ウイーザス荻窪(47名定員)で2名、ウイーザス九段(87名定員)では3名の常勤理学療法士を採用。リハビリ回数だけでなく、質の高い個別機能訓練を安定して提供できるのが特徴です。このような質の高い外出支援と理学療法士による専門的個別機能訓練の両輪で、ご入居者のQOL向上を目指しています。
医療体制の強化とファストドクターの導入――ご入居者が安心して暮らせる環境を整えるためには、医療体制の充実も欠かせない要素だと思います。
小島 ウイーザス荻窪では、ホームの目の前に城西病院があるため、緊急時にも迅速に対応できるという安心感があります。また、ウイーザス九段では24時間看護師が常駐しているほか、3つの医療機関と協力医療体制を構築しています。更に、ご入居者により一層の安心をご提供したいと考え、夜間・休日の往診代行サービスを提供しているファストドクターと業務提携。介護スタッフや看護師の専門領域を超える事態にもしっかりと対応できる体制を整えました。
――ファストドクターは在宅医療を担うかかりつけ医と連携することで、施設職員にとって負担になりがちな「夜間・休日」の診療業務をワンストップで運用することが可能となります。ファストドクターのサービスを導入して良かった点はありますか。
小島 ご入居者のなかには訪問診療を希望されない方もいらっしゃいます。「まだそんな年齢ではない」「自分は健康だから必要ない」というのが主な理由ですが、このようなご入居者への対応も1つの課題となっていました。今は元気な方でも、万が一の事態に備えることは非常に重要であり、施設としても、ご入居者が必要なときに頼れる体制を整えておく責任があります。その点において、ファストドクターは訪問診療を契約していないご入居者の医療体制を補完してくれます。
例えば昨年10月に入居された方は、入居1週間後に訪問診療の初診が予定されていましたが、入居直後に急変があり、ファストドクターに対応をお願いしました。このような事例においても、ファストドクターの存在は、ご入居者やご家族にとってだけでなく、私たち施設職員にとっても大きな安心材料となっています。
さらに、施設への入居をきっかけに、かかりつけ医が変更になるケースも少なくありません。特に、かかりつけ医が遠方にいる場合、夜間の対応が難しくなり、その結果やむを得ずかかりつけ医との関係を断念せざるを得ないこともあります。こうした状況でも、時間外対応を補完する体制さえ整っていれば、今までと変わらないかかりつけ医に継続的にお願いすることが可能となり、ご入居者にとって大きなメリットとなります。
――かかりつけ医が対応できない場面をファストドクターが補完することで、かかりつけ医・施設・ご入居者の三者で良好な関係を維持することが可能です。介護経営ではコスト削減や生産性向上といった課題が求められる中、「ご入居者お一人おひとりの幸せ・well-beingの実現」という姿勢を徹底することで、サービスの質を確実に担保されているのですね。
小島 ほかにも24時間365日いつでも面会が可能な体制を整えたり、ご入居者個人の外出に職員が付き添う「パーソナルGOTO」サービスを提供したり、動画視聴やテレビ電話などのオンラインサービスを十分楽しんでいただけるように各居室に高速光回線を完備したりするなどしています。ご入居者お一人おひとりが毎日満たされてお暮しいただけることを目指し、ウイーザスならではのサービスと環境づくりをこれからも追求していきます。
【お問い合わせ】
ファストドクター株式会社ホームページ
https://fastdoctor.jp/corporate/
在宅医療支援事業に関する詳しいご案内はこちら https://fastdoctor.jp/corporate/service/home-medical-care/
医師監修の医療メディア・医療情報サイト「在宅医療ナビ」https://oncall.fastdoctor.jp/media/