2024年5月22日号 1面 掲載
【コラム】介より始めよ
2024年5月22日
以前通っていたあるカフェは、木造の空き家を改修した古民家だった。空き家の改修は、オーナーが秘密基地を作るような遊び感覚で行ったのだという。でき上がった古民家にはどこからともなく人が集まり、そこで趣味で焙煎していた珈琲を提供するようになった。
800万戸を超える空き家。これらがすべて低コストで再生できる地域インフラの宝庫だと考えるのは早計だろうか。「住まい」としての再生にとらわれず、娯楽、交流施設、商店、子どもたちが集まるアジト――思考を張り巡らせて多様なプレイヤーがアイデアを持って参入できれば街づくりはよりワクワクするものになるはずだ。
高齢者住宅との連携もとれば、それが高齢者住宅のブランディングにもなる。あのカフェを思い出しながら、地域の空き家を起点とした多様な地域包括ケアシステムの可能性を感じている。
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