2024年4月17日号 1面 掲載
【コラム】介より始めよ
2024年4月17日
朝の通勤ラッシュ。新品のスーツを着込んだ若者が、圧倒的な人波に飲まれて、進みたい方向と反対に流されていく。きっとこの春から上京してきたのだろう。その時は急ぎだったので助け舟を出すことはできなかったが、今度同じような新社会人に巡り合ったら助けてあげようと心に決めた。
彼・彼女らの故郷はどこだろう。真っ先に頭に浮かんだのは人口減少率トップの秋田県だ。同県は4月時点でついに人口100万人を割った。人口密度は1キロメートル四方87.9人と、東京都の100分の1以下となっている。
過疎エリアでは介護・医療サービスの効率が悪化してしまう。介護・医療を抜きにして、人々の生活は成り立たない。一方で、リソースは有限で、地域に隈なくサービスを届けるというのも限界がある。介護・医療の効率性も踏まえたまちづくりがさらに重要になっていくだろう。
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