ソラスト(東京都港区)石川泰彦社長

2015年9月24日

医療事務養成を軸に、介護・保育分野も拡大させてきたソラスト(東京都港区)は今年創業50年を迎えた。この4年で社名変更に伴うブランド変更や社屋移転、8月には社長交替など様々な変化を遂げてきた。この変化を、「50年を整理し未来に目線を移す転換期」だと位置付ける石川泰彦新社長に今後の展望を聞いた。

 

──社長に就任して、まず取り組むことは。

 

石川 まず医療事務や介護従事者の育成から活用までをより強化すること、そしてサービスの質を高めることです。
 昨年、医療事務・介護・保育分野の採用から、社員・職員の教育、キャリアアップを支援するための組織として「キャリアセンター」を立ち上げ、現在全国45ヵ所まで広げています。WEB配信で教育講座を実施したり、研修・トレーニングを実施したりする機能を備えています。人材育成は事業拡大の上で競争力に繋がりますので、まずはこの事業を強化します。

 

──具体的にサービスの質を高めるためには。

 

石川 生産性を上げながら質を高める方法として、ICTや介護ロボットの活用に着目しています。介護では時に人海戦術によるサービスが質を高めていると捉えられますが、必ずしもそうではありません。特に近年技術が発達する、見守りセンサーやコミュニケーションツール、セキュリティシステムを活用し、質に結び付けていきたいと思います。他社と組んでのソフト・ロボットの開発まで視野に入れています。

 

──人材育成でのポイントは。

 

石川 4月よりデイサービスで重度要介護者、認知症高齢者への対応として、優しく身体をなでることで利用者にリラックスしてもらう「セラピューティック・ケア」と、映像や音楽を活用した回想法をレクリエーションに採り入れました。セラピューティック・ケアは、社内で研修を実施し資格を取得した者が実施します。
 今後も中重度者や認知症高齢者への対応を進めていきますので、このような自社で取得できる資格を増やして、サービスプログラムを拡充させます。資格取得によって従事者にインセンティブを付与し、プロ意識を付けてもらうことが狙いです。資格を「サービス指標」と位置付けてキャリア体系を作っていきます。

 

──昨年、ココチケアを買収しました。今後のM&Aの計画は。

 

石川 事業規模を拡大していきたいと思っていますので、今後も介護事業者のM&Aは積極的に行っていきます。特に介護事業の主軸である、通所介護、訪問介護などの在宅介護を中心に検討していきます。既存の東名阪エリアで、価格帯と規模のバランスがよい事業者であればいつでもM&Aができるように体制を整えるつもりです。

 

──今後の新たな事業については。

 

石川 医療と介護の連携に注力していきます。当社のように医療側をよく知る介護事業者はそう多くはありません。その知見を活かして、病院内の地域連携室などにケアマネジャーを配置し、退院後の医療・介護連携がスムーズにいくような支援も行っていきたいと思います。

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