まごのてグループ(京都市)植野康弘社長

2015年9月24日

まごのてグループ(京都市)は、京都市内を中心に障害者や要介護者向けの訪問介護サービスを展開。フランチャイズ方式の採用や正社員への登用、独自のキャリアアップ制度などユニークな取り組みで成長。九州や関東など府外の企業との提携なども積極的に進めている。同社の植野康弘社長に戦略を聞いた。

 

まごのてグループのフランチャイジーは京都市内で15社。障害者向けの訪問介護、余暇活動・移動支援を中心に、訪問看護、デイサービス、居宅介護支援事業所などを展開。FC方式でありながら、グループ全体で社員の育成やキャリアアップに取り組んでいる。近年は大阪、鹿児島、福井など他府県でも加盟会社が増加している。

 

京都市内のサービス利用者は約1200人。スタッフ数は約240人だが、約8割を正社員として登用。

 

「正社員として責任を持って働いてもらい、他の業界で働く人と比べてもそん色ない処遇にして社員の生活を保障していきたい」(植野康弘社長)という想いを実践するため、独自の「考課表」「給与表」を作成。社員が目標を立て易くするとともに、モチベーションのアップや離職率の低減に役立てている。

 

「考課表」はヘルパーからマスター、チーフ、マネージャーまで独自の階層を12段階に設定。組織への貢献度、社会人としての自立度、専門職としての技術力を総合的に勘案。それぞれに雇用時間、資格、職種、職位などの基準を設け、「期待される姿」を明確に示している。その考課表による要件をもとに、年1回、各社の代表や責任者と面接を行い、昇格か否かを決定する。

 

正社員の給与は、基本給と職能給で構成。基本給は考課表の階層ごとに決定。職能給については1等級から6等級まであり、毎年昇給していく仕組み。また職責に応じて昇給額にメリハリを設けている。

 

2回の賞与前には自己評価、上司評価による人事考課を実施。能力、姿勢、成果などの指標で評価する。

 

さらに定着率を高めるため「プリセプター制度」を導入。リーダー格の一人の社員が複数の社員を担当し、介護技術を評価する。その他、表彰制度や提案制度など様々な工夫を凝らし、人材の定着を図っている。

 

考課表や給与表は設立時から実践している手法。昨年度の離職者はゼロだったという。

「社員モデルだから一人当たりの生産性を高めることができる。訪問シフトは1ヵ月単位で作成するのが普通だが、当社グループの場合、1週間単位で作成。利用者視点で臨機応変に対応できるのが利点」(植野社長)

 

同社は2011年に設立。売上高はグループ全体で約11億円。今後もフランチャイズ事業や提携事業所による全国展開を強化していく方針。

 

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