“語り”から関係作り ものがたり診療所から学ぶ
2015年3月4日
エイジング・サポート実践研究会が、2月21日都内で開催した第3回セミナー「ものがたられる、書き伝えるエイジング」にて、医療法人社団ナラティブホームの佐藤伸彦理事長が講演した。
佐藤理事長は富山県砺波市で強化型在宅療養支援診療所のものがたり診療所を開業。年間80名もの高齢者を看取っている。人間の命を「生命体」として見ることをやめ、命は「ものがたられる」ものとして、どう支えられるかに尽力してきた。
佐藤理事長は「どういう死に方をするのか」を考えるのではなく、「最期までその人らしく生きることを支える」ことを大切にしており、患者との語り合いによって生まれる関係の重要性を実例や動画を交えながら話した。
医療・介護従事者が患者に接する上で、「その人を理解してしまったらそこでケアは終わってしまう。わからないことを前提に理解しようとすることで関係性ができる」と述べた。
その後、自分史普及に注力する河出書房の河出岩夫社長が「書き伝えるいのち」をテーマに、次世代に命を伝える手段として自分史や家族史を作るポイントを話した。
次回第4回セミナーは3月7日、東京都港区のLearning Squareにて開催。同研究会小川利久代表、医療法人社団悠翔会の佐々木淳理事長、シルバーウッドの下河原忠道社長による共著「点滴はもういらない」の出版記念セミナーが行われる。定員200名、参加費3000円。
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