2024年12月4日号  1面 掲載

【コラム】介より始めよ

2024年12月4日

年齢差別をしないことは、案外難しい。オーストラリアで高齢者の権利擁護活動を行う慈善団体COTAのパトリシア・スパロウ氏は、3種類の年齢差別があると説明する。

 

まずは「自分の中での差別」。自覚がなくとも「白髪は染めるもの」という意識を持つようなことを指す。2つ目は高齢者への貸付を認めないなどの「制度上の差別」。そして、医療従事者などに多いのが「善意の差別」という。

 

同国政府が医療従事者へ行った調査で「差別をしていない」と多くの人が回答した。しかし、「大きな声でゆっくり話したり、『年齢より若く見えるね』と言ったりしたことがあるか」と尋ねると、彼らは「ある」と答えた。これが差別だとスパロウ氏は話す。

 

医療・介護業界では、無意識に専門職が主導権を握る構図になることがある。高齢者の主体性の尊重について、常に自問する姿勢を持ちたい。

 

 

 

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