2024年7月24日号  12面 掲載

【地域をかける在宅医】20年以上在宅医を続ける理由 コンパスメディカルグループ 代表 後藤基温医師

2024年8月6日

 

コンパスメディカルグループ 
代表 
後藤基温医師

 

1999年 東京医科大学医学部卒業。老年病科、精神神経科、救命救急科勤務を経て、2001年に後藤医院を開業。18年に医療法人社団コンパスの理事長に就任。22年に医科歯科のクリニック3法人からなるコンパスメディカルグループ代表理事に就任

 

 

法人概要
設立:2009年9月
法人本部:東京都北区
訪問対象エリア:東京都北部、神奈川県東部、埼玉県南部、千葉県北西部
患者数:1054 名(2024 年6 月現在)※歯科除く

 

在宅医になったのは独立・開院した2001 年。当時「在宅医」はまだまだマイナーな存在だった。祖父母に可愛がられていたことも影響したのか、大学を卒業して選んだのが老年病科。しかし、高齢診療は学問として成り立ちにくいなと思った。老衰など治るわけではないものを無理やり延命させるのも違うし、それであれば最期まで元気でいてもらった方がいいと考えていた。
 

高齢者には笑顔で過ごす時間が増えて欲しい。そのために大切なことは「食べる・寝る・出す(排泄)」だ。それぞれの状態に合わせて生活を整えていく。1日2食が丁度良いという人がいてもいい。正解は一人ひとり違う。
 

物を投げ暴言を吐く婆ちゃんを宥めたり、起き上がることができないと言い張る爺ちゃんとは寝そべりながら話したりしてきた。ゴミを出し、戸棚を修理したことも。たまの休日、公園で息子と遊んでいたときに呼び出しがあり、息子を車に乗せて診療に向かうこともあった。大変なことも多かったが、対処療法ではなく傾聴し、寄り添って症状の本質を探り改善へと導く。高齢者の笑顔に繋がる瞬間があるからこそ20余年続けてこられたんだと思う。 

 

 

おすすめの一冊:「ソフィーの世界」ヨースタイン・ゴルデル(著)須田朗(監修) 池田香代子(訳)(NHK 出版)
趣味・休日の過ごし方:今はしっかりと土日は休めるようになり、子どもも手が離れたことから、たまのゴルフが息抜き

 

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