2024年6月12日号 

【コラム】介より始めよ

2024年6月12日

「包丁で小指を切った。整形外科の医師が居る病院まで」。これはタクシーの運転手に向けて客が言った台詞ではない。消防指令センターにかかってきた119番通報の内容だ。

 

救急車の不適切な利用が後を絶たない。これに対処するため、救急車の有料化が検討されている。6月1日から三重県松阪市で、「軽症の人が救急車を利用した場合に7700円を支払う」という取り組みが始まった。なお、厳密には「選定療養費」制度を、救急搬送後に入院に至らなかったケースにも適用するという内容であり、救急車を有料化するものではない。

 

不適切な119番通報は論外だが、一方で「医療機関にかかりたくても足がない」という高齢者が止むに止まれぬ事情で連絡するケースも少なくない。救急車の有料化議論と一緒に、医療アクセスをいかに確保するかという議論も、今後さらに深めていく必要がある。

 

 

 

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