2024年1月17日号 1面 掲載
【コラム】介より始めよ
2024年1月17日
「猫は家になつく」という習わしをよく聞く。実家の猫を何度自分の家に連れ帰りたいと思ったかわからない。その度にこの言葉を思い出し踏みとどまってきた。
先日友人から「祖母の家をリフォームしたら、認知症を発症してしまった」という話を聞いた。家の構造が大きく変わり、混乱や不安感などから家事などをする機会が減ったからではないか、という。
環境が急激に変わると心身に不調が出てしまうことを「リロケーションダメージ」という。世代を問わず起こりうるが、高齢者は特に影響を受けやすいとする説もある。生活環境の変化は大きなことだ、と改めて感じる。
自立向けから看取り期まで、高齢者の住まいは多様化している。必然的に住み替えも増える。利便性、安全性の提供はさることながら、環境変化に伴う負担への考慮が大前提。ここでも、各機関、職員、家族の連携が鍵になりそうだ。
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