安定運営へ5% 大幅プラス改定要望 介護人材政策研究会
2023年11月22日
一般社団法人介護人材政策研究会(東京都千代田区)は11月1日、次期介護報酬改定に向けた要望書を自由民主党介護福祉議員連盟に提出。「少なくとも4%、安定的運営には5%程度のプラス改定が必要」と訴えた。出席した国会議員複数名が「5%は当然の数字だ」としている。
独自分析、議連に提出
介護施設・事業所における赤字割合が拡大している現状において、同会は独自に分析を行った。ロシア・ウクライナ戦争が始まった2022年2月と23年9月の期間において消費者物価指数は5.5%上昇。加えて、前回改定の検討基準である20年と現時点を比較した全体賃金上昇率は7.6%。介護業界の賃金上昇率は23年度で1.42%であり3年間連続で上昇してきたと仮定しても約4.3%と、ここに3.3%の不足が生ずる。この数字を介護報酬に割り戻した場合、例として特養の財務構造と照合すると、従来型で2.17%、ユニット型で2.08%の対応分が必要となる。同様に物価上昇への対応分を介護報酬に割り戻した場合、従来型で1.79%、ユニット型で1.75%にあたる。これらを合算すると、次期改定では少なくとも従来型で3.96%、ユニット型で3.83%の引き上げを要する。
「多くの施設で運営が困難になっていることは経営実態調査結果にも表れている。経営を立て直し安定的に運営するために、大幅なプラス改定を求める」(天野尊明代表理事)