【コラム】介より始めよ
2023年11月15日
先日、ユーキャン新語・流行語大賞のノミネート語が発表された。「アレ」や「X」など、「なるほど」と思う。一方、「ひき肉です」など疑問符が浮かぶものもあるが、大方世相を反映したものになっているだろう。
同賞を遡ってみると、「後期高齢者」という語が目に付いた。ノミネートされたのは2008年。後期高齢者医療制度がスタートした年だ。そのネーミングが、悪い意味で世間の話題をさらったのだろう。
「介護の日」が制定されたのがこの年であったことは、不思議ではないのかもしれない。経済恐慌など、将来の不透明さに誰もが不安を抱えていた時代。語呂合わせに過ぎなくても「いい日、いい日」という言葉に、何でもない日々こそ尊いものであるという、生きることを肯定する強い思いが込められているように感じる。
15年後の今、その意味を改めてかみしめている。
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