【コラム】介より始めよ

津久井やまゆり園事件から7年が経った。相模原市の知的障害者福祉施設で、元職員により入所者ら45人が殺傷された事件だ。現場となった施設では今年も、7月26日に追悼式が行われた。運営法人は、このような事件が二度と繰り返されないよう神奈川県と連携し「ともに生きる社会の実現」を目指している。

津久井やまゆり園では一昨年、建替え工事が完了した。小規模化し新たに2階建ての居住棟が開設され、入所定員は以前の160人から66人となっている。事件当時の入所者は、仮移転先でもあった横浜市芹が谷地区に開設した新施設に分散された。

あれから7年。今でも、事件を知った当時の動悸を鮮明に思い出す。運営法人の職員や入所者の方々の、ここまでの道のりを思う。「閉ざされた福祉」の世界は少しずつ変わっている。インクルーシブな社会の実現に向け、歩みを進める人たちがいる。