【コラム】介より始めよ
2023年5月23日
ゴールデンウィーク中に帰省し、91歳の祖母をランチに連れて行った。
祖父を亡くして以来、普段は家の中で誰とも話さず過ごすことが多い祖母。まだ要介護度認定を受けておらず、本人は施設に入る気はない。我々家族も「祖母はこのまま自宅で最期の時を過ごすのだろう」と当たり前のように考え、日々を過ごしている。
しかし、本当にそうだろうか。「いざ」という時は突如訪れるもの。
私は気が引けるような、少し照れるような思いを抱きつつも、祖母と自分の両親にエンディングノートを渡した。今までなんとなく後回しにしていた「人生会議」を、我が家でも始めようと思う。
ランチをペロリとたいらげ、「今とても幸せよ」と穏やかに笑う祖母。愛嬌のある目元のシワが、私の頬を緩ませる。まだまだこの笑顔が見たいと思い、夏までにまた帰省しようと決めたのであった。
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