【コラム】介より始めよ
2023年4月20日
隈研吾氏と養老孟司氏の対談集「日本人はどう住まうべきか」を読んだ。
世界の住まいに目を向けると、コウモリが飛び交う家や、氷の家、牛の糞を固めて作った家など、人間が環境に適応している多様な家があると2人は話していた。
特に面白いのがアフリカのサバンナ。小屋に30~40人が住み、小屋の中は公共の場で、プライベートな行為は外でする。「ハコ」の外に豊かな私生活・文化が広がっている。日本と真逆の住まいだ。「世界を旅行し、日本の常識を覆すのが仕事」と隈氏は語っていた。
自分の常識は誰かの非常識。「認知症だから難しい」「重度者だからできない」といった固定概念、「忙しいからできない」「ずっとこうしてきたから」といった思い込みは介護業界でもよく聞かれる。介護施設・介護業界という「ハコ」の外に、常識を覆すヒントが広がっているのかもしれない。
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