【コラム】介より始めよ
2023年4月15日
筆者は田舎育ちなので、幼少期、学校が終わって家に帰ると隣家の子どもが祖母とテレビを見ている、両親共働きの友人が遊びに来てそのまま夕食まで済ませて帰っていく、といった光景がよくあった。あれが「向こう三軒両隣」だったのだなと思う。
現代、特に都会ではなかなか見られない光景だろう。しかし、介護施設に取材に行くと、入居者同士が「向こう三軒両隣」の関係を築けるよう取り組んでいるケースがある。要介護度でフロアを分けず、重度化しても認知症になっても同じ居室に住み続けることで「お隣さん」との関係を継続できる仕組みであったり、レク誘導の際に居室の近い入居者とともに誘うことで挨拶や会話が生まれやすい機会を作ることであった
人が生きていく上で「社会性」が果たす役割は大きい。施設に入居してもそうした関係が築けるというのは、とても魅力的に思う。
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