【コラム】介より始めよ
2023年2月18日
正月に親族一同で食卓を囲んだ時、皆で「屠蘇」を回し飲みするのが習わしだ。屠蘇は、日本酒やみりんなどに、数種の薬草を浸して作ったもので、屠蘇器という酒器を用いて振る舞われる。
屠蘇という言葉の意味は諸説あるが、邪気を「屠(ほふ)」り、生気を「蘇」えらせるというのが一般的で、無病息災や健康長寿を願って飲むそうだ。年少者から年長者の順に回し飲みをするのも、若者の生命力を年長者へと分け与える意味合いがあるという。
政府は、社会保障における負担と給付のバランスを調整し、現役世代と高齢者世代における公平性の確保を目指している。現役世代の負担軽減を求める声は大きく、後期高齢者の保険料負担を始めとして、今後も見直しが続くだろう。
「高齢者から若者へ」。屠蘇と流れは逆だが、元気な日本経済を「蘇」らせたい、という願いは同じだ。
関連キーワード