【福祉用具サービスの真価】人的資本経営への挑戦/ヤマシタ 山下和洋氏

2023年2月8日

EX・CXを強みに非連続成長へ

 

少子高齢化により、サービスの提供対象である高齢者が増加する一方で、提供する側の人手不足は深刻な課題であり、2025年には介護人材が55万人不足するともいわれている。そうした中、当社は長期ビジョン2030においてEX(従業員体験)とCX(顧客体験)を要とした人的資本経営へ挑戦を掲げている。

 

 

仕事のやりがいを向上することに力を入れている

 

 

 

目下2024年までの中期経営計画では、「EXから考える」をスローガンに従業員の「仕事のやりがい」を向上させるための取り組みに注力している。連載最終回となる今回は、EXとCXが相互に作用し合い、好循環を生み出すための取り組みについて紹介したいと思う。

 

 

まず、CXとは顧客が企業との様々な接点において受け取る価値のことで、このCXを向上させることは全ての企業が取り組んでいることだろう。ところがCXだけに焦点を当てて、サービスの向上を目指しても長続きしない。なぜなら、顧客の体験価値を生み出す軸となるのは〝人〞であり、CX向上の取り組みが増えていくほどに、従業員は疲弊していくからだ。

 

従業員がやりがいをもってイキイキと働いている会社と、逆にやりがいがなく暗い雰囲気で働いている会社のどちらが顧客に感動体験を届けられるか明白だろう。だからこそ、まずはEXの向上に取り組むことが重要だと考えている。EXとは、一般的に従業員がその会社で働くうえで得られる経験のことを指すが、当社ではわかりやすく、「仕事のやりがい」と定義している。

 

この具体的な取り組みとしては、新卒、中途入社のオンボーディングの仕組み化や部下が上司を評価する仕組み、AIによる1on1マネジメントなどを今年度開始した。また、これらの取り組みの効果を定量的に図るための評価モデルの開発も進めている。

 

 

EXがCXに作用するように、顧客の期待を超えるサービスを届け、顧客からの感謝を受けたときもEXが向上するということも忘れてはならない。この好循環を生み出す仕組みを作り、相互に高め続けていくことで、非連続な成長を当社は目指していく。

 

 

 

 

 

ヤマシタ 代表取締役社長 山下和洋
2010 年慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、株式会社ヤマシタ入社。2013年、先代社長であった父が急逝し、25歳の若さで代表取締役社長に就任。
小学校で介護保険制度に関する卒業論文を執筆。2020年、ダイヤモンド経営者倶楽部「Management of the year」を受賞。先代社長は福祉用具専門相談員全体のレベル向上を目指す職能団体「ふくせん」を発起人として設立。

 

この記事はいかがでしたか?
  • 大変参考になった
  • 参考になった
  • 普通
全ての記事が読める有料会員申込はこちら1ヵ月につき5件まで閲覧可能な無料会員申込はこちら

関連記事



<スポンサー広告>