サ付き、市区町村が基準制定 「開設の手間増加」の声も

2016年9月5日

820日より、市区町村がサービス付き高齢者向け住宅登録基準の強化・緩和を行うことが可能となった。同日付で厚生労働省・国土交通省が都道府県などに通知した。

 

 

8月20日付け 改正省令施行

 

これは「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」の一部が820日に施行され、それに伴い「高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則の一部を改正する省令」「国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則の一部を改正する省令」などが同日に施行されたことを受けてのもの。

 

従来は、都道府県は市区町村と協議の上で高齢者安定確保計画を定めることができ、その計画に基づいてサ付き住宅の登録基準・緩和などを行うことができた。20日以降は、市区町村でも高齢者居住安定確保計画を定め、サ付き住宅の登録基準の強化・緩和を行うことが可能となった。

 

ただし、政令指定都市・中核市以外の市区町村がサ付き住宅の登録基準を定める場合には、実際に物件の登録や指導監督を行うのは都道府県となるため、両者で登録基準や指導監督について協議を行うことを20日の通知では求めている。

 

 

地方のルール細分化進むか

 

これまで、サ付き住宅については、東京都の「居室面積は、本来は25平米以上(ないし18平米以上)とされているが、大規模な土地の確保が難しいなどの事情を鑑みて20平米以上(ないし13平米以上)でも登録を可能とする」といった「独自ルール」が設けられてきた。今回、市区町村で登録基準の強化・緩和が可能になったことで、それぞれの地域の特性や事情に応じたサ付き住宅の供給が進むことが考えられる。

 

しかし、実際にサ付き住宅を多数運営する事業者からは「現在でも、都道府県ごとに登録基準が異なるため、新たに設計をし直さなくてはならないなど手間や無駄が多い。市区町村が基準を設けることができるようになったら、さらに手間がかかるようになるのではないか」(学研ココファン五郎丸徹社長)と懸念する声もあがっている。

 

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