厚労省 来年度概算要求30.6兆円 医療・介護のICT化注力
厚生労働省は来年度予算概算要求を発表した。要求額は一般会計で今年度より7259億円(2.5%)増の30兆6675億円。また来年度の重点要求・要望として「地域の福祉サービスに係る新たなシステムの構築」「医療分野の研究開発の推進」「総合的ながん対策の推進」など8項目を掲げた。
福祉ニーズの多様化に対応
このうち「地域の福祉サービスに係る新たなシステムの構築」では、
(1)福祉ニーズの多様化・複雑化
(2)高齢化の中での人口減少
の2点を課題とし、その解決に向けた具体的な取り組みとして「地域包括支援体制の構築」「ひとり親家庭相談窓口のワンストップ化」「生活保護受給者等の居住確保」「介護ロボット等の開発の加速化のための支援」「効果的・効率的な介護サービス提供のためのモデル事業の実施等」「潜在介護福祉士・保育士対策の強化」「質の高い介護人材の養成の推進」「介護人材の機能分化に資する研修プログラムの開発」などを示した。
なお医療・介護関連で盛り込まれた主要施策・事業とその予算額は以下の通り。
「安心で質の高い医療・介護サービス提供体制の構築」
◎地域において、予防・健康づくり、病診連携、在宅医療推進、看取り対応などを幅広く行う「かかりつけ医」モデルの構築(4.5億円)
◎「新オレンジプラン」に基づく、認知症高齢者にやさしい地域づくりの推進。具体的には、認知症疾患医療センターを366ヵ所から433ヵ所に、認知症医療・介護関連の枠組み構築のためのモデル事業新設、若年性認知症支援コーディネーター設置の推進、など(57億円)
◎介護ロボットの開発に必要な支援を一体的に行う拠点施設の整備(5億円)
「医療・介護分野におけるICT化の推進」
◎複数の医療機関が参加するクラウド型電子カルテシステムのモデル事業実施など(27億円)。
◎介護サービス効率性向上・ICTを活用した事業所間連携の取り組みをモデル的に実施(3.8億円)
「安心・安全な暮らしの確保等」
◎さまざまな福祉ニーズに対応する新しい地域包括支援体制の構築、地域の福祉サービスに係る新たなシステムを担う人材の育成・確保、など(73億円)