CCRC、大学リンク型目指す 2017年オープン予定
コミュニティネット(東京都千代田区)は桜美林大学(同町田市)と連携し、カレッジリンク型となるサービス付き高齢者向け住宅を、大学が所有する敷地内に建設するプロジェクトを進めている。オープンは2017年春を予定。
事業主体は桜美林大学が100%出資するナルドで、コミュニティネットはそのプロデュースを手掛ける。敷地面積約2300坪に、サービス付き高齢者向け住宅60戸、一般住宅8戸、学生向け住宅32戸の計100戸を建設予定。敷地にはコミュニティレストランや多目的室などの交流施設のほか、コンビニや学生向けクラブハウス、介護サービス事業所、訪問看護ステーションを整備する。東京都の補助事業としても採択されており、高齢者向けに大学との連携による学びの場を設けるなど、高齢者と学生、地域住民が交流し健康で自立した生活を送ることのできる「都市郊外型CCRC」を目指す。
費用安価な木造 入居費抑制目的
先月24日には桜美林大学敷地内でプロジェクトについての意見交換会が開催された。コミュニティづくりを共に考えていく会で定期的に開催されており、今回で6回目。市民や企業など46名が参加した。
住宅の設計は、コミュニティネットの「ゆいま~るシリーズ」を手掛けてきたプラスニューオフィス。同社の近藤創順氏は住宅を全て木造で建設する理由として、「資源の有効活用やCO2削減など環境にも優しいだけでなく、材料費や施工コストが鉄筋より安いためその分入居費用も安く抑えることができ、多くの人に入居してもらうことができる」と説明。
耐火性や断熱性に優れているだけでなく、「スリッパをはかずに床を歩くとすごく気持ちよかった」など木造を評価する声も紹介した。
「母と一緒に移り住みたい」と考えている参加者からは、「移り住むことを考えると医療連携がカギになる。24時間診察してくれるクリニックがあれば非常に安心」といった声が聞かれるなど、協力医療機関の存在を重要視する声があがった。多世代交流に興味をもつ参加者からは「学生とコミュニケーションをとりたいので、就活相談所など彼らが気軽に立ち寄れる場所をつくりたい」といった声もあがった。
ほかにも、「大学との連携によりさまざまなデータが集約されるコミュニティになれば研究拠点としても活用できる」といった意見も出た。
一般社団法人コミュニティネットワーク協会高齢者住宅情報センターの久須美則子東京センター長は、「今年2月から毎月意見交換会を開催している。町田ヒルズハウスがオープン後も意見交換会は続けていきたい」と話す。