“隣組のこころ”でサービス 施設・在宅事業強化へ
今年2棟目のサ付き開設
ほっと・はぁと(長野県安曇野市)は、松本市・安曇野市を中心に有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅を5棟運営。医療と介護が融合した施設運営を目指す。今年度中には訪問看護ステーションの開設も予定。
「昔はあった隣組が今は存在しない。ひとつ屋根の下で助け合いながら生活していくことが望ましい」
そう語るのは窪田淑子社長。6年前から有料老人ホームや訪問介護を手掛けてきたが、サービスを拡充するため昨年11月、松本市にサ付き住宅を開設した。
「むつみの郷あがた」を幼稚園の統廃合に伴い、その跡地に開設。2階建てで総居室41室(うち夫婦部屋3室)。38室の個室の専有面積は18平米、夫婦部屋は20~27平米。
1階が自立や軽度者、2階が重度者・認知症に対応。1階に個浴と機械浴、2階に個浴をそれぞれ設けた。食事は家族の団らんの雰囲気を持たせるため、原則1階で全員が揃ってとっている。
「高齢者には人の手がどうしても必要。サ付き住宅の良さであるプライベートを確保しつつ、集まって暮らすことで様々な助け合いが可能になる」(窪田社長)。
介護サービスは松本市内にある住宅型有料老人ホーム併設のヘルパーステーションが手掛ける。約10名のスタッフが訪問介護サービスを提供している。夜間は1名が常駐している。
スタッフが無理なく勤務できるよう現在は半数ほどの入居に抑えている。平均要介護度は2・2ほど。6月中旬から入居の2次募集を開始。それに合わせ看護師を配置し、入居者の健康管理の充実を図っている。
入居費用は家賃5万~5万3000円、共益費3万8000円(水光熱費など)、食費5万1000円、状況把握(見守り)で合計14万4000円から。敷金は家賃2ヵ月分。
今年4月には安曇野市豊科にサ付き住宅「むつみの郷とよしな」を開設。「あがた」と同様、2階建ての全41室。現在3割ほどが入居。周辺に施設が少ないことが影響し、平均要介護度は既に3を超えている。
同社は2008年から2011年にかけて3棟の住宅型有料老人ホームを安曇野市と松本市に開設。そのうち「むつみの郷ほたか」(安曇野市)は一昨年、「むつみの郷岡田」(松本市)は昨年、それぞれ介護付有料老人ホームに移行した。現在は5棟175室を運営。有老ホーム2棟とサ付き住宅2棟の施工を積水ハウスが手掛けた。
「今年度中には訪問看護ステーションを立ち上げ在宅事業や医療連携も強化していく。在宅と施設の両輪で地域に貢献していきたい」(窪田社長)。